日本は世界の中でも有数の超高齢化社会と言われています。特に都市部に比べて地方では高齢化のスピードが速く、福島県でも65歳以上の人口割合は全国平均を上回る水準に達しています。こうした高齢化の進展に伴い、加齢と関わりの深い認知症の患者数も年々増加しているのが現状です。医療・介護の担い手不足や、独居高齢者の増加、移動手段の確保といった地域特有の課題が重なり、認知症の早期発見や日常生活の支援体制づくりがますます重要になっています。様々な治療法、治療的なアプローチがある中、この記事では“アロマ”と“認知症予防”の関係についてみていきます。【読了目安時間:5分】▼目次医療・介護でも広がるアロマの力アロマとは、“香り”や“芳香”を意味する言葉です。アロマ療法はアロマセラピー(アロマテラピー)と言われ、植物から抽出された精油(エッセンシャルオイル)などを用いて香りの力で心身のバランスを整えるケア方法です。健康や美容のための手段として、日常生活の中に気軽に取り入れられるのが魅力です。昨今、アロマは医療や介護の現場でも注目され、患者の不安や痛みの緩和、睡眠の質向上などを目的に取り入れられるケースが増えています。また、看護や介護を担う家族やスタッフのストレスケアとしても活用され、香りを通じて“癒しの時間”を共有することが心のゆとりや信頼関係づくりにもつながっています。認知症とは?認知症とは「脳の病気や障害など様々な原因により認知機能が低下し、日常生活全般に支障がでてくる状態」のことを指します。簡単に言うと、脳の情報をやり取りする部分がうまく働かなくなり、ものを覚えられなくなったり、時間や場所が分からなくなったりと、日常生活に支障をきたしてしまう状態です。認知症は様々な種類があり、その中でも6~7割を占める“アルツハイマー型認知症”は、みなさんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。認知症と聞くと、多くの方が“もの忘れ”を想像することが多いかもしれません。このアルツハイマー型認知症の特徴は、加齢によるもの忘れとは異なり、例えば「昨日の夜、何を食べたか忘れてしまった」ではなく「夕飯を食べていない」と物事自体を忘れてしまうという特徴があります。においの刺激がカギ!?認知症とにおいの関係最近の研究では、アルツハイマー型認知症の予防にアロマ療法が効果的だとする報告が多く上がっています。アルツハイマー型認知症は脳内の神経細胞がダメージを受けて壊れていき、もの忘れなどの様々な症状が出てきますが、その初期段階でダメージを受けやすいのが、においを感じる“嗅神経”と言われています。つまり、もの忘れの症状が出てくる前ににおいを感じにくくなる可能性が高いということです。そこで、においを感じるにおいセンサー(嗅神経)を刺激することによってアルツハイマー型認知症の症状が進行しにくくなるのではないかと考えられています。また、自律神経が整い、心身のリラックスに繋がるため、記憶の改善や意欲が出てくるなどの効果も期待されています。認知症の予防のポイント認知症にならないために、どのような予防方法があるのか。まず、認知症になりやすいリスクとして、以下のことがあげられます。・生活習慣病・喫煙・難聴・社会的孤立つまり、これらを改善・解決していくことが認知症の予防につながると考えられています。生活習慣病の予防には、定期的な運動習慣やバランスの良い食事、禁煙などが効果的です。難聴のある方は、補聴器を活用することで人の声や音をしっかりと聴こえるようにすることが大切です。これには家族や周りの人の助言や協力も必要です。また、地域活動へ参加したり、人とのつながりや外出の機会を増やすことで、社会との関わりを確保することも認知症のリスクを減らせることが分かっています。認知症の治療には、主に進行を抑える薬物療法の他、リハビリテーションや心理療法など薬に頼らない治療的なアプローチの方法があります。様々な項目を組み合わせて意識していくことが予防への第一歩となります。おすすめのアロマここで認知症予防に効果が期待されているおすすめの香りを2種類ご紹介します。エッセンシャルオイルを使って生活に取り入れてみてください。【日中におすすめ】覚醒作用を持つ心身リフレッシュ効果ローズマリーカンファー:レモン=2:1の割合【夕方・夜間におすすめ】鎮静作用を持つ心身リラックス効果真正ラベンダー:スイートオレンジ=2:1の割合アロマの取り入れ方としては、ディフューザーを使って香りを拡散させたり、アロマペンダントにしておしゃれに香りを身に着けることもおすすめです。アロマスプレーにして持ち歩き、ハンカチや空間にいつでもシュッとひと吹きできるように携帯することもいいですね。ここでアロマスプレーの作り方をご紹介します。《材料》無水エタノール 10mL好みのアロマオイル 10滴精製水 40mLスプレーボトル50mL《作り方》スプレーボトルに無水エタノールに入れ、好みのアロマオイルを入れ混ぜる。精製水を入れてよく混ぜて完成。2週間くらいで使い切るようにしましょう。※オレンジやレモンの精油などは香りがよいため思わず口に近づけてしまう人がいます。精油は口には入れないこと、そのまま原液では皮膚に触れないようにすることを守りましょう。まとめ忙しい毎日の中でも、香りは手軽に取り入れられる“続けやすい予防習慣”のひとつです。リビングにそっと香らせたり、就寝前に深呼吸しながら楽しんだりすることで心がふっと軽くなり、気持ちの切り替えにもつながります。大切な家族のために、そしてご自身のために、心地よい香りのツールを暮らしに添えてみてはいかがでしょうか。