実は、福島県福島市は納豆消費量で長年全国トップクラスを維持しており、直近10年(2015年~2024年)ではなんと7回も日本一に輝いています。地域の食文化として納豆が深く根づいた背景には、冬場のタンパク源として重宝されたことや、米文化に根ざした食習慣として世代を超えて受け継がれてきたことなどが理由として考えられています。                    

朝食の定番として多くの人に親しまれている納豆ですが、 
「健康に良いとは聞くけれど、具体的にどんな効果があるの?」
「毎日食べるのは飽きてしまいそう」
そんな風に感じていませんか?
この記事では、福島市の食文化に触れながら、納豆について深堀りしていきます。

この記事はこんな方におすすめです

  •  家族の健康管理に関心のある20〜40代の子育てママ
  • 自分や家族の健康維持を考えている50〜60代の女性
  • 納豆の健康効果について詳しく知りたい方

福島市が誇る納豆文化と、その背景にある健康への効果について詳しくお伝えします。毎日の食卓に納豆を取り入れることで、皆様の健康づくりをサポートできれば幸いです。

〈読了目安時間:8分〉

1.私たちが誇る食文化!「納豆のまち福島」

福島市観光ノートより引用:https://www.f-kankou.jp/pickup/31904

福島市は総務省統計局の「家計調査」で、1世帯あたりの年間納豆消費額が4年連続日本一(2019-2022)を記録していました。2023年に一時9位に転落したものの、「納豆を日本一愛する街」として取り組みを強化し、2024年には過去最高額(7,830円/世帯)で見事日本一を奪還しました。

※参考:総務省統計局 家計調査
※参考:福島市公式サイト「納豆のまち福島」

①福島で納豆が盛んに食べられてきたのはなぜ?

納豆を好んで食べるのは関東以北の地域に多く、特に東北地方では各世代にまんべんなく「納豆を食べる文化」が根づいています。
実はその明確な理由はわかっていないのですが、以下のような理由が考えられます。

気候と保存食としての役割
気候が温暖な地域では魚がいつでも手に入りやすいのに対し、東北などの雪深い米作地帯では冬場のタンパク源の確保が難しいため、保存の効く納豆が重宝されたと考えられています。

食生活のスタイル
米の産地である福島では朝食にご飯を食べる傾向が強く、納豆との相性が良いことも要因の一つとされています。また、多世代型の家族構成が多いことで、納豆を食べる習慣が世代を超えて受け継がれてきたとも考えられています。

※参考:https://tabi-mag.jp/natto-fukushima/
※参考:https://www.natto.or.jp/hyakka/ped_natto05.html

②「納豆のまち福島」の取り組み

ねばリンク「納豆グルメマップ」

福島市では「納豆のまち福島」を掲げ、納豆文化の魅力を発信する様々な取り組みを行っています。専用サイト「ねばリンク」では「納豆グルメマップ」を公開し、市内の納豆料理が楽しめるお店を紹介しています。

公式サイト(ねばリンク)より引用:https://fukushima-nihon1.jp/

この納豆グルメマップは、納豆料理コンテスト参加店舗を中心に納豆料理を提供する飲食店を紹介したもので、納豆のパッケージを意識した昭和レトロなデザインが特徴です。福島市観光案内所(JR福島駅西口2階)や道の駅などで配布されており、「納豆はかき混ぜる回数で味が変わる!?」「粒の大きさで栄養に違いがある!?」といった納豆の豆知識も掲載されています。

※参考:ねばリンク福島市
※参考:納豆グルメマップ

「毎月10日は納豆の日キャンペーン」

公式サイト(ねばリンク)より引用:https://fukushima-nihon1.jp/

福島市は納豆の年間消費額日本一を2025年も獲得するため、「毎月10日は納豆の日キャンペーン」を継続して実施しています。
「納豆食べて、健康で元気な毎日を過ごしましょう!」を合言葉に、市民一体となって納豆文化を盛り上げています。

※参考:福島の観光情報サイト


他にも2025年11月には見た目や味、香りなどを審査して日本一おいしい納豆を決める「全国納豆鑑評会」が郡山市で開催されるなど、もはや納豆は福島市だけでなく、福島県全体を代表する食材となっています。

2.科学が証明する納豆の健康パワー

「納豆どきの医者知らず」!? 納豆にまつわることわざ

「1日1個のりんごは医者を遠ざける」ということわざは有名ですが、納豆にもことわざがあるのをご存知でしたか?昔から日本各地で語り継がれてきた納豆のことわざには、先人たちの生活の知恵が込められています。

納豆どきの医者知らず

昔は秋から冬にかけて納豆を食べるのが習慣でした。納豆の季節になると毎日食べるようになるため、体力がついて病気への抵抗力も強くなり、お医者さんのお世話になる人が少なくなったそうです。

納豆は通じをよくする

納豆の整腸効果を表した言葉です。お腹の調子が悪い時に納豆を食べると、お通じがスムーズになって体全体が軽やかになります。納豆菌が腸内環境を整えてくれるからですね。

ボケたくなかったらネバ納豆

納豆のネバネバに含まれるナットウキナーゼが血流を良くして、脳の健康維持に役立つ可能性があるという意味です。記憶力をサポートするレシチンも含まれています。

 

納豆の好きな子は骨がかたい

納豆にはカルシウムやビタミンK2、イソフラボンがたっぷり含まれているため、納豆好きな子どもは丈夫な骨格に育つという意味です。良質なタンパク質と一緒に摂ることで吸収も良くなります。

日本が誇る「スーパーフード」納豆の健康効果

納豆が「スーパーフード」と呼ばれるのは、その豊富な栄養素と健康への効果が期待されているからです。スーパーフードとは、一般的な食品よりも栄養価が高く健康維持や増進に役立つとされる食品の総称です。
スーパーフードについて、詳しくは過去記事もご参照ください。


*過去記事
【話題のスーパーフードとは?】健康効果や選び方のポイントを詳しく解説

ではそんな納豆が持つ豊富な栄養素とその効果を、一部ご紹介します。

血管と血流をサポートする「ナットウキナーゼ」

納豆のネバネバの元となるナットウキナーゼは、血液中のタンパク質を分解する酵素です。血流の改善に関する研究が進められており、血管の健康維持に役立つ可能性が注目されています。

骨の健康を守る「ビタミンK」

納豆には、骨の健康に重要なビタミンKが豊富に含まれています。ビタミンKは骨の形成に関わる栄養素で、加齢とともに骨密度が気になる50代以降の方の健康維持に役立ちます。
※血液をサラサラにする薬を服用されている方は、ビタミンKの影響で薬の効果が変わる可能性があるため、医師や薬剤師にご相談ください。

*過去記事
【50代から気をつけたい!】骨の健康を守るためのポイントと予防対策

腸内環境を整える「納豆菌」

納豆に含まれる納豆菌は、発酵食品として腸内環境の改善に役立つとされています。良好な腸内環境は、全身の健康維持にも重要な役割を果たします。

女性の健康をサポートする「大豆イソフラボン」

女性ホルモンのエストロゲンと似た構造を持つ大豆イソフラボンが含まれており、女性の健康維持に役立つ栄養素として注目されています。

3.今日から気軽に食卓に取り入れられる納豆レシピ

「毎日納豆を食べたいけれど、同じ食べ方では飽きてしまいそう」という方も多いのではないでしょうか。身近な材料で簡単に作れる納豆レシピで、家族みんなが楽しめるメニューをご紹介します。


納豆トースト

食パンにマヨネーズを塗り、納豆とチーズをのせて焼くだけ。朝食にぴったりの手軽なメニューです。

納豆茶漬け

三つ葉とカリカリ梅を刻んで納豆と混ぜ、お茶漬けにトッピング。さっぱりとした味わいで、食欲のない日にもおすすめです。

納豆と豆腐のごまサラダ

キャベツ、大根、にんじん、大葉をせん切りにして器に盛り、手で崩した豆腐をのせます。納豆に付属のたれ・からし、ごまドレッシングを混ぜ合わせてかけるだけ。野菜と一緒に摂ることで栄養バランスもアップします。

他にも全国納豆協同組合連合会のサイト「納豆トッピングレシピ」では、季節ごとの納豆料理レシピがたくさん紹介されており、毎日飽きずに納豆を楽しめるレシピを見つけることができるでしょう。



※参考:納豆トッピングレシピ

4.まとめ:納豆で健康づくりを始めよう

主なポイント

  • 福島市は長年にわたって納豆消費量全国トップクラスを誇り、地域の食文化として根づいている
  •  納豆にはナットウキナーゼ、ビタミンK、納豆菌、イソフラボンなどの栄養素が含まれており、血管、骨、腸内環境、女性の健康維持に役立つとして注目されている
  • 気軽に作れる納豆レシピで毎日飽きずに楽しめる

全国トップクラスの納豆消費量を誇る福島市では、納豆は昔から親しまれてきた“身近な健康食”。
美味しく、手軽に、そして体にやさしい――そんな納豆を、今日から食卓に取り入れて、健康づくりを始めましょう。

地域に根ざした味わいが、きっと毎日の食事をもっと豊かにしてくれます。